[dig] TV スペシャルに出演です! その2 【にしゃんた こらむ】
ついに本番当日がやってきた。
集合時間がめちゃ早い。京都を朝6時に出て、大阪のスタジオに。到着は、朝8時02分。30分くらいたつと、ゲストのアーティストたちが続々とスタジオに到着。相手に失礼がないように、お一人お一人の名前を一生懸命暗記。これが大変やった。若手アーティストが中心やけど、いちばん知られていないのは、なにをかくそう、進行役のこの僕。
「にしゃんたと申します。どうぞよろしくお願いします」って挨拶して回りました。みなさん、すごく丁寧に、笑顔で応対してくれました。意外と簡単に僕の名前を覚えてくれて嬉しかった。越前屋俵太さん(堺屋太一さんじゃなくてよかった)だけは僕のことを「にゃしゃんた」って言うてましたけど。
それから「中村玉緒」さんって聞こえてたのはなんと!「さとう珠緒」さんの間違いやった(やったー!!)。
珠緒ちゃんやっぱり可愛らしい……
「さとう珠緒と申します。よろしくお願いいたします」って、すごく丁寧な人やった。朝早くに東京からやってきて、疲れていたと思うんやけど、そんな風には見せないんです。
テレビで普段見ているよりも、ずっと細くて、触ったら(いえいえ、そんなことしませんけどね!)壊れそうな感じ。大きな目を細めて笑う仕草が印象的でしたわ……あの笑顔、脳裏に焼きついて離れないのが、いまの僕の悩みです。
押尾コータローさんは、背が高かくて格好良いんですわ。しかもギターはメチャクチャ上手い。さぞかしモテるやろなって思いますわ。そしてヤザギタケシさん。この人も男前。人それぞれの「クセ」の仕草を踊りにできるってきいて、「綺麗な女性を見ると声を掛けたくなるクセがあるんですが、踊りになりますか」って聞こうとしたんですけど……でも、次の瞬間、「きっとスベる」と思いとどまりました。どうですかね?
午前の部は、山宮さんに借りたアート作品で、スタジオが大盛り上がり。いちばん大きい「独身育毛健康機械」がウケるかなと思ってたんやけど、意外にもシンプルな「大人ヨーヨー」が人気でした。俵太さんと転球劇場さんのボケは、やっぱり天才的ですね。珠緒ちゃんのボケも可愛くて最高やったけど。
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午前の部は、本当にあっという間に終わった。スタジオの外に出たら、転球劇場の3人と、押尾コータローさんとヤザキタケシさんは、ファンに囲まれてました。写真とったり、サインをもらったり。
その近くでひとり、うらやましそうに眺めている僕を気を使ってくれたのか、数人の女子大生が僕のところにも寄ってきてくれました。「僕にもついに若い女性ファンがついたか!」と喜んだのも束の間、横を通り抜けて行った珠緒ちゃんを見た瞬間、全員一斉にそっちの方へ。
僕にとっては二重のショック。女子大生ファンを失い、ああ、後でお話しようと思ってた珠緒ちゃんも帰っていく。最後に僕の方を振り向いて、素敵な笑顔を見せてくれたのが、唯一の救い。ああ、珠緒ちゃん! いつかまたお会いしたいです!
後から、珠緒ちゃんがヤザギタケシさんの連絡先を聞いていたこと知ったんです。なぜ僕の連絡先を聞いてくれないんだろう……悔しい(当たり前や)。
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午前のオンエアの様子をチェックした僕は、夕方も気合いを入れるべく、お昼をご一緒する人を探しました。でも番組スタッフはみんな徹夜続きで、フラフラしながら、食事も取らずに夕方の準備に打ち込んでいる。Tくんなんか、眼が腫れ上がってしまい、コンタクトをはずして眼鏡に代えてました。これはエライこっちゃなぁと思いながら、仕方なく局の近くの定食屋さんでひとりご飯を食べ(さみしい……)、控え室でお昼寝タイム。
ウトウトしていると、ケータイがなりまして。なんと、越前屋俵太さんからの電話やったんです。
「一緒にコーヒーでも飲まへん?」
僕は飛び起きて、NHK内の喫茶室へ向かいました。
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テレビでしか見たことがなかった俵太さんが、気さくにいろんな話をしてくれました。電話番号も交換したんですよ! いちばん印象に残っている言葉を、出血大サービスで書いちゃいましょう。
「にしゃんた君。芸人の先輩として言うておく(僕は芸人なんでしょうか……)。スタジオでは時間を気にしたらあかん。時間なんかお構いなしに、自分の世界を表現するんや。時間はアナウンサーに任せとけ」
テレビに出て来る俵太さんは、笑いのためにいろんなことをやってはりますけど、違った一面を見ることが出来てホンマによかった。人間的な大きさを感じました。「芸人」として、頑張っていく勇気が出ましたよ。もちろん、ホンマは珠緒ちゃんとコーヒーを飲みたかったんやけど、それは言うまい。
俵太さんとの話が盛り上がりすぎて、夕方の部のリハーサルには遅刻してしまいました(ちなみに、俵太さんはリハーサル不参加。ぶっつけ本番の勢いを大事にする人なんですわ。もちろん、それはかなりの経験がないとできへんやろうけど)。
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午後5時5分。夕方の本番スタート。俵太さんは強烈でした。いきなり、茄子(なぜ?)のかぶりものをつけて登場。夕方の俵太さんは気合いが違った。回転の速さはピカイチ。午前の部を終えて、さらにテンションが上がっているように感じた。キャスターの真知子さんも僕も、ついていくので精一杯。ジェットコースターのような展開でしたよ。
つじあやのさんの「失恋体験を歌詞にしよう!」コーナー。僕が得意の失恋話をぶちまける。でも歌にはしてくれないみたいで、ちょっとガッカリ。でもあやのさんがずっと楽しそうやったので満足ですわ。あやのさん、もし気が変わって僕の失恋を歌にしてみようと思い立ったら、いつでも連絡くださいね。ネタはいっぱいあるので、なんぼでも詳細にわたって話をさせてもらいます。
スクエアは、陽気な兄ちゃんの集まり。スタジオで見せてくれた「宿題コント」。なんと[dig] TV のために2日で書き上げた新作ネタなんですって。演技力も抜群ですね。
はじめにきよしさんは、昔テレビで見たことがあって、そのときから実はファンやったんです。スタジオではじめさんが着ていたシャツ。かわいかったなぁ。
夕方の番組も、ほんまにあっという間に終了。みなさんとの挨拶を終えて、番組スタッフのオフィスで、のんびりとオンエアチェックをしました。
その横で、Tくんはニコニコしながらもう次の仕事に追われてます。
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むっちゃ楽しかった番組は終わりました。楽しいことはすぐに終わるものです。僕はまた、京都で普段の生活に戻ってます。
まだまだ暑い。単パンにセッタを履いて、京都の夏の最後を噛み締めながら、ゆっくりしています。
バーをやっている連れが、番組を録画してくれてた。いつもそのバーでビデオを再生しては、「珠緒ちゃんが可愛い」とか「俵太さんはどんな人?」とか「あやのちゃんは……」などなど、花を咲かせています。
この前、夜遅くに行ったラーメン屋でも「見たでー。頑張ってやー」って餃子をサービスしてもらいましたよ。
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その後、俵太さんにお礼の電話をしました。京都の家が近くにあるんで、今度飲みに連れて行ってくれるそうです。スリランカのことを教えてくれたら、僕もいろいろ教えてあげるって。上手い突っ込みを学びたいと思ってます。
僕は進行役をさせてもらったけど、さすが関西のアーティスト。みんなで場を盛り上げていく。スタジオは、ホンマに居心地よかったですわ。アーティストって、世の中でいちばん心の柔軟な人たちかもしれないですね。すごく感受性が豊かで。
何でもアートなのかもしれない。共感を得られようと得られまいと、それは二の次三の次。みんなが精一杯生きていく。表現していく。それがアートなんだと、素人の僕は思いました。いや、アートに素人も玄人も無いですね。また、いつかみなさんとお会いしたい。たくさんお話をしたいですね。
実は放送前、連れに「なんで、にしゃんたが?」って聞かれた。Tくんには何か狙いがあったのかもしれませんが、アートにはエンもユカリもない人生を送ってきたからね。それはずっと心に引っかかってたんです。でも、気使いの俵太さんがスタジオで、
「にしゃんた君。君の人生がアートだ!」
って言うてくれた。スタジオは爆笑やったけど、僕は嬉しかった。心の引っかかりも取れました。
やっぱ、関西はおもろい。関西のパワーを再確認した、8月の終わりの出来事でした。