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若者よ世界にはばたけ・・・海の魚のように空飛ぶ鳥のように 【にしゃんた こらむ】

僕の日本との初めての接点は、一つのテレビドラマでした。そうです。「おしん」なのです。スリランカでの人気はあまりにも高くて、視聴率80%などはざらでした。 同じころ出合ったもう一つの日本。それは日本製の車です。一九七〇年代の末、スリランカの狭い道が日本の中古車でいっぱいになった。おしんのドラマの中には、車の「く」の字も登場しません。日本という国が二つあるのかと、世界地図を広げて友だちと真面目に探した時分が懐かしい。

同じ国だと分かると日本への興味が増した。経済的に貧しかった日本が短期間で車を作れるようになったのだと。今から考えると、スリランカにグローバリゼーションと資本主義経済を教えてくれたのは、ほかならぬ日本の中古車でした。日本に行きたいという夢をかなえてくれたのは親父だった。家を担保にしてお金を工面してくれた。そのお金と片道の航空券と小さなボストンバックで十八歳の僕は伊丹空港に降り立った。

だが、スリランカから持ってきた大金は、円に換えると七万円にしかならなかった。結局、日本語学校の月謝も払えず、お世話になっていた方から二万円を借金した。そのころは、おしんは、もういなかったけれど、心優しい日本人がたくさんいて、僕を大学の教員にまで育ててくれた。

日本は国際化しています。淡路島でタマネギ農家をやっているスリランカ人に会ったときは驚いた。二百万人近くの日本人が外国に、それと同じぐらいの外国籍の人が日本に住んでいる。昔、人は家と国は選べないと言われた。でも今は紛れもなく住みたい場所などは選べる時代なのです。

日本に住んで二十年がたとうしているのに飽きるどころか、毎日が浮き浮きして仕方無い。僕の生まれ故郷はセイロンと呼ばれていたが、その言葉は予期せぬ発見を意味する「セランディプティー」に由来する。僕にとっての日本はセランディプティーそのものです。

最近、僕は運命を感じ虜になったこの国で、自分が何をさせていただけるか一生懸命考えている。ちなみに僕の日本人の恩師は学生時代を過ごしたスリランカの紛争解決のために日夜奔走しています。

海の中の魚も空飛ぶ鳥も、どこからどこまでが境界線だと分かっていない。日本の若人にも狭い枠組みから開放されて大きく羽ばたき、人の幸せのために貢献してほしい。どこの国にも心温かい人たちがいる。心配することなど何もない。

今の僕は変わらず大学で助教授として経済を教えている毎日を過ごしています。日本への恩返しをかねて日本で政治家を志す想いが心に強く芽生えています。2005年末には、そのための前提条件であります日本国籍を取得しました。まだ、公表を致しておりませんが、一応、多原樹一(たはら・きいち)という日本名を頂きました。これらを機に私としましては、本格的に政治を志す決心をしています。その夢の実現に向けて一歩一歩確実に前に進みたいと思います。

地域社会の人々が取り組むべき事柄は国家レベルで留まらない。国境を越えて物事を考える時代です。政治の分野も例外ではないと思う。その意味合いにおいても国籍や文化背景を関係なくいろんな人々が集まったほうが良いと思う。それらもさることながら、日本人離れした日本人が議員さんに混じって混じってただただいるだけでもこの社会に対してそのこと自体が大きなメッセージを発してくれるのではないかと僕はむしろ客観的にその存在を見ています。この社会へ日本人離れした政治家という作品の実現のために、みなさんのご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。

骨を埋めるつもりでこの国のために役立ちたい。日本人皆さんが国際人をめざすなかで、僕は甚平が似合う日本家屋に住む普通のおじさんになるのが夢なのです。

 【新聞記事】

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